毎日叱られていた“ダメ社員”だった私が部長になれた秘訣
皆さん、こんにちは。
YEC(※1)4期生の上妻です。
早いもので、2025年も残り2か月となりました。
新卒で入社された皆さんも、入社から半年が経ち、ようやく社会人生活に慣れ始めた方も多いのではないでしょうか。
実際に社会に出てみると、
「思うように成果が出ない…」
「どうすれば先輩のようにうまくできるんだろう…」
「自分にはこの仕事、向いていないのかもしれない…」
と、落ち込みがちな時期かもしれません。
私がYECに選ばれてから2年が経ちますが、管理職を任されたり、新規部署の立ち上げにかかわったりと、ありがたいことにさまざまな役割を任せていただけるようになりました。
今でこそ日々チームのメンバーや後輩に対して指示やアドバイスを行う立場にありますが、私も営業として配属されたばかりの頃は、毎日のように上司に叱られていました。
今回は、そのような私が変わるきっかけとなったエピソードをご紹介します。
(※1)YEC:“Young Executive Candidate(若手幹部候補制度)”の略で、35歳未満の社員を対象に選抜したアイエスエフネット独自の若手メンバー育成制度。

うまくいかなかった配属当初
私が現在の営業部門に配属されたのは5年前、コロナ禍真っ最中で出社も制限され、リモートで業務を行っていました。
それまでBtoBビジネスの経験がなかった私は、なかなか思うような成果が出せず、メールの文面や資料の構成、タスク管理、さらには身だしなみに至るまで、あらゆる点で上司から指摘される日々が続きました。
なかなか上司に認められるような成果が出せず、毎日大変な思いをしていました。
その悔しさから、「どうすれば、上司のように仕事ができるビジネスパーソンになれるのか?」と考え続け、たどり着いたのが「守破離」という考え方でした。
「守破離」とは
「守破離(しゅはり)」とは、日本の武道や茶道、能などの芸道において、修行における段階を示した言葉です。物事を習得し、成長していくための普遍的なプロセスモデルとして、現在ではビジネスやスポーツ、芸術などさまざまな分野で用いられています。
「守」「破」「離」はそれぞれ以下の3つの段階を表しています。
- 【守】(しゅ):型を「守る」段階
師匠や流派の教え、基本となる「型」や作法を、忠実に、正確に守る段階。
・行動: 指示されたことを、まずはその通りに寸分違わず実践する。
・意識:なぜそうするのか完全に理解できていなくても、まずは自己流の考えやアレンジを挟まず、基本を徹底的に反復練習し、身体に染み込ませる。この段階でいかに基礎を固めるかが、その後の成長の土台となります。
- 【破】(は):型を「破る」段階
「守」で身につけた基本を土台として、他の良い教えを取り入れたり、自分なりの工夫を加えたりして、既存の「型」を意図的に破っていく段階。
・行動:基本を応用させ、より良い方法を試行錯誤する。
・意識:基本の本質を理解しているからこそ、「もっとこうすれば良くなるのでは?」と考え、改善や改良を試みる。これは、基本を知らない単なる「型破り」とは全く異なります。盤石な基礎があってはじめて、意味のある「破」が可能になります。
- 【離】(り):型から「離れる」段階
「守」と「破」を経て、既存の型や教えといった枠組みから離れて、自分独自の新しいスタイルを確立し、新たな境地を切り開く段階。・行動:型にとらわれることなく、自由自在に本質を表現・実践する。
・意識:誰の真似でもない、自分だけのオリジナリティを創造する。また、次の世代に教える立場にもなる。
じつは、当時は「守破離」という概念を知らなかったのですが、「どうしたら成果が出せるのか?」考えた末に行きついたのが、「上司の丸パクリをする」ことでした。
「仕事ができる人の真似をすれば自分もできるようになるのでは?」という、やや安直な考えで始めてみたのですが、これが思いのほかうまくいったのです。

【守】上司の思考をトレースする日々
「こんなとき、上司ならどう判断するだろうか」
「この資料を見せたらどんな反応をするだろう」
「このあとの上司の行動は?」
と上司の行動を観察し、発言を一言一句頭に焼き付け、「なぜそのように振る舞い、発言するのか?」をひたすら考える日々が数か月続きました。
その際に、私が実際に取り組んでいたことの一例をご紹介いたします。
【トーク編:言葉を盗む】
- 上司が使う単語、言い回し、話の運び方を一言一句メモする。
- お客様への電話での第一声からクロージングの決め台詞までを真似る。
- 社内での報告・連絡・相談の際の「枕詞」や話の構成も完全にコピーする。
【行動編:動きを盗む】
- 朝、出社してから何をしているか、そのルーティンを観察し、同じ流れで動く。
- メールの返信速度を上司と同じ「即レス」レベルに合わせる。
- お客様への訪問準備の段取り、持ち物まで真似る。
【資料編:見た目を盗む】
- サーバーにある上司の提案書を全て印刷し、構成や言い回しを徹底的に分析する。
- フォントサイズ、グラフの色、余白の使い方まで、最初は意味も分からず忠実に再現する。
【思考編:頭の中を盗む】
- 叱られたら「なぜ怒っているか?」ではなく「何を求められているか?」を考えるクセをつける。
- 会議の前に「あの上司ならどう発言するか?」を予測する。
- 上司の過去の判断を振り返り、「なぜあの時、AではなくBを選んだのか?」を自分なりに考察する。
【破】丸パクリの先に見えてきた上司の「意図」
ひたすら上司の真似をしていると、不思議なことに上司の考えが少しずつ理解できるようになりました。
「なぜこの場面でそのような発言をしたのか?」「なぜ資料をその構成にしたのか?」などといった上司の「意図」が推測できるようになり、はじめて遭遇する状況でも上司の行動をもとに自分なりの判断ができるようになりました。
それによってこんな変化がありました。
- 提案資料が一発で承認されるようになった。
- お客様への提案時に上司がフォローを入れる回数が減った。
- 会議で次に何をすべきか、議論の先が読めるようになった。
- 上司から質問される回数が減り、任される仕事の範囲が広がった。
上司の真似をし続けることで、応用力が身につき、「自分ならどうするか?」という考えを持つ余裕が生まれ、自分にも自信を持つことができるようになってきました。
【離】上司の真似ではない、自分なりのスタイル
そうはいっても、私と上司は別の人間です。
どうしても考え方の違いはありますし、上司と私では強みの方向性も異なります。
当時の上司はひたすらに論理派で行動力が高く、即断即決がモットーのような人でした。
私はというと、慎重派でお客様の様子を伺いながら丁寧に物事を進めるタイプです。
自分の強みを活かすためには真似ばかりしていてはいけないと、あるタイミングから、上司の真似をやめ、自分なりのやり方を試すようになりました。
もちろん、「自分なり」といっても、根底にはこれまで学んできた上司の考え方を活かしつつ、自分らしくできる部分をうまく組み合わせて、徐々に自分のスタイルを確立していきました。
結果として、成果もそれなりに出すことができ、現在のポジションにまで上がりました。
部下を持つ立場になってからは、伸び悩む若手には、自分の目指したい人を師匠と設定し、その人の真似をしながらひたすら意味を考えることを勧めています。

最後に:最高の教科書はあなたの隣に
最初から完璧に仕事をこなすことができる人はいないと思っています。
成長のカギは優れた人を真似る「守」からはじまります。
尊敬できる先輩や上司がいれば、その人があなたにとって「最高の教科書」になるはずです。
地道にその人の真似をしていく一歩一歩が、半年後、1年後の自分の行動にきっと良い変化をもたらしてくれると、私は確信しています。
最後まで私の体験談にお付き合いいただき、ありがとうございました。
少しでも「良いな」と感じていただけたら、ぜひ一度、真似することから始めてみていただけるとうれしいです。
次回の更新もお楽しみに!
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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。

