ヒューマンライブラリPart.3:HSP社員へのインタビュー

<1、3、4の文責・榎澤幸広(名古屋学院大学現代社会学部准教授)、2の文責・國吉陽介(株式会社アイエスエフネット ダイバーイン雇用委員会 委員長)>

1.はじめに
今回はHSP社員へのインタビュー内容です。『HSP』は“Highly Sensitive Person”の略で、「とても繊細な人」「敏感な人」などと訳されますが、多くのことに気づき深く考える「生まれつき繊細な人」が5人に1人程度の割合で存在するといわれます(この言葉の提唱者は心理学者エレイン・N・アーロン)。

近年、本屋さんの心理学のコーナーでも多くの関連書物を見かけるようにもなりましたし、NHKの情報番組『あさイチ』でも特集が組まれましたので(2023年9月11日)、それらを目にした人もいるかもしれません。
また、うちのゼミ生のみならず、現代社会学部生の中にも「HSP」を研究テーマにする人も増えてきました(このような社会動向からも、アイエスエフネットがいち早くHSP当事者を社員雇用していることはとても興味深いです)。

従来ですと、“繊細であること”“敏感であること”は「気にしすぎだよ!」「神経質だな~」という相手側の反応で一蹴されることが多かったように思われます(場合によっては、自己肯定感喪失へもつながりました)。
先の数値通り「繊細・敏感でない人」がこの世の中の多数派だとすると、中々少数派の人たちの声が届きにくいかもしれません。

少し話がズレるかもしれませんが、私自身8人に1人といわれる左利きなので、右利き中心に作られた社会にはかなりの不便さを感じてきましたし、友人や研究者など周りの人たちにその不便さを何度か訴えたことがありますが一蹴されたことがあります。
幼少時代(1980年代)は、多数派である右利きに矯正するか、値段が1000円高い左利き用のはさみを購入するか選択肢が限られていました。
無理な矯正の結果、右手での箸の持ち方が「正式の持ち方ではない」「変だ」と学生時代や20代の頃さまざまな人にいわれましたし、リンゴの皮むきは右、キャベツの千切りは左という包丁使用をめぐる不統一も生じました(左利きは「貴重」とか「特殊な才能を持っている」という一部の人の言葉に救われたりもしました)。

学生インタビューを読んでいて自分の過去経験との共通項が見えたため、つい自分語りをしてしまいましたが、HSP社員の方は、多数派とか少数派とか一切関係なく、「①この社会で自身がありのままでいられること」、「②お互いが相手の立場に立てることの素晴らしさや重要さ」、「③ ①②をふまえた上での良い関係の築き方」に関して気づかせてくれました。
そして、後述の学生たちのコメントが気づかせてくれるように、このことはあらゆる人との関係において重要なことと思います。

私に気づきを与えてくれた学生コメントから読んでいただいてもかまわないのですが、そのコメントをより深く読み取っていただくためにも、2.において、アイエスエフネット側がHSP社員雇用や社内での取り組みを記載して下さっております。
また、登壇したHSP社員本人の了解を得られる範囲内のプロフィールもここにて紹介されておりますので、一読していただけたらと思います。

※ここまでの部分は、武嶌波漫画/武田友紀監修『わたしは繊細さん まんがでわかる! HSPが自分らしく生きる方法』(飛鳥新社・2020)、エレイン・N・アローン(片桐恵理子訳)『敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術』(パンローリング・2020)を参考にさせていただきました。

2.アイエスエフネットの取り組み&HSP社員に関して
アイエスエフネットグループが掲げる人権方針に基づき、当社では「ダイバーイン(※1)雇用」に取り組んでいます。個人が抱えるさまざまな特性や個性によって就労困難な方に対し、環境や仕組みを作り上げることで本人や周りの方々が働ける場を提供することが目標です。

上述の「ダイバーイン雇用」は、2006年に「ニート・フリーター」「FDメンバー(障がいのある方)」「ワーキングプア」「引きこもり」「シニア」の積極採用を目標とした『5大採用』を掲げたことが始まりです。5大採用達成をきっかけに10大、20大、30大雇用へと枠を広げてまいりました。現在はカテゴリや属性によらず、多種多様な人がともに成長することを願い「ダイバーイン雇用」という名称に変更しています。(※2)

HSPは病名や障がいを指す用語ではなく、特有の困りごとや特性が理解されにくいことがしばしばあります。アイエスエフネットグループでは、定期的な1on1やヒアリング、さらにはエンゲージメントに関するアンケートやクリフトンストレングス(※3)診断を含む資質分析など、定量的かつ定性的なコミュニケーション方法を用いて、社員間の相互理解を深めるための取り組みを積極的に進めています。

また、HSPについてのオンライン勉強会を開催し、LMS(※4)により全社員が視聴・学習できる環境を整えています。
このような取り組みにより、社員同士がお互いの立場をより深く理解し、支え合うことを目指しています。

(※1)ダイバーシティとインクルージョンを掛け合わせたアイエスエフネット独自の言葉
(※2)アイエスエフネットの『ダイバーイン雇用の軌跡』はこちら
(※3)クリフトンストレングスについて(外部サイト)
(※4)Learning Management Systemの略称でe-ラーニング、学習管理システムのこと

【登壇者のご紹介】
氏名:
廣瀬さん

▲廣瀬さんお気に入りの風景

自己紹介:
一人暮らしで猫を飼っています。
よく喋る子なのでリモートワークのときは声だけ参加してくれます。
猫が太らないようにすることが専らの悩みです。

休日は、アニメや漫画を一気見して過ごすことが多いです。
特に、あるバレーボールの漫画が好きで、最近は男子バレーボールの試合もテレビで見るようになりました。
また先日初めてVリーグの試合を見に行きました。
日本代表選手の120キロを超えるサーブを間近で見ましたが、迫力がすごかったです。

学生さんに向けたメッセージ:
この度は、学生の皆さんとお話しする機会をいただきありがとうございます。

皆さんが今回考えてくださった質問はパッと思いついたものだったでしょうか?
それとも、多少の迷いを伴いながら考えたものだったでしょうか?
私の勝手な想像ですが、おそらく後者だったのではないかなと思います。
HSPというテーマでお話をさせてもらいましたが、その「不器用さ」みたいなものの積み重ねが生きにくいと感じる要因なのかなと考えています。

現在、私はエンジニアのフォローをする業務にあたっています。
一人一人に寄り添うこと、その中でより良い方法を一緒に模索しています。
話をしていると、自分の不器用さをネガティブに捉えていることが多いのですが、ポジティブな要素にしてもらえるようにと心がけています。
皆さんが感じている弱みだと思っていたものが、今後ご自身の強みになれば嬉しいです。

会社に向けたメッセージ:
「エンジニアのユートピア」を実現できるよう、今できることからコツコツとやっていきたいと思います。

3.学生のコメント
ここでは8人の学生コメントを取り上げたいと思います。

  1. 廣瀬さんの「自分が当事者だったらどうか、当事者の立場になって考えて寄り添って欲しい」と仰っていた言葉が本当に心に響きました。
    自分は、その当事者になっていないから客観的に考えてしまいますが、当事者の気持ちになって考えてみると色んなことが見えてきて、声を掛けることや行動など出来ることが多くなるのではないかと感じました。
    また、廣瀬さんが自分から助けて欲しいとかはいいにくい性格をしていると仰っていて、当事者だからこそいいづらいことや性格によっていいにくい人もいるので、「これとこれやりますね」とかではなく、「何か困ったことないですか」と声を掛けて寄り添ってみようと思いました。
    今回を通して、たくさんのことを学ばせていただきました。貴重な時間をありがとうございました。
    (小瀬 舜)
  2. ヒューマンライブラリのお話の中でHSPは病気ではないため、どうしても周囲から理解され難いものだと伺いました。
    HSPだからこそ、言語化できない相手の思いを汲み取るのが得意とお聞きし、一人一人の個性を理解し、それを強みに変えていくことの大切さを学びました。
    また、会社の改善点をお聞きしたところ、エンジニアというのもあり、効率重視で思いやりを忘れがちだと伺いました。ラフに話せる環境づくりはHSPさんにはもちろんですが、誰にでも共通して行うべきです。
    よって、HSPという特性を持っているからの配慮というよりは、どのような人にも当てはまる、当たり前の優しさを向けるべきだと感じました。
    個人でできることとしては相手の気持ちになって考えることを意識しながら生活することだと思いました。
    (山口夢生)
  3. 私はインタビューをする前はHSPという言葉の存在を知りませんでした。今回のインタビューが決まってから調べて初めて知りました。
    ネットの情報では光や音に敏感など普通に生活するうえでかなり大変だと書いてありました。
    しかし、実際にインタビューに答えてくださった時に個人差があることやHSPというものは病気ではなくあくまでも1人の人間としての気質だという風におっしゃっていて納得することができました。
    また、「会社からのサポートはありますか」という質問に対してHSPだからということではなく個人的に相談事に乗ってもらうことがあると聞いて、社員とアイエフネットは互いにいい関係を築けていて凄いと思いました。
    会社がより良い環境を整えることで社員がそれに応えてくれるという素晴らしい関係だと思いました。
    (m.k)
  4. 私は、アイエスエフネットとの関係について当たり障りなく話してくれる人が多いというところに働きやすさがあるのではないかと考えさせられました。
    HSPの方はパソコンで働いておりコミュニケーションが苦手といっていたので、話しかけてくれる方がいるほうが働きやすいと気づかされました。
    また、自分から相談しづらいことに関して周りに気にかけてもらっていることも働きやすさにつながっているとおっしゃられていたので、アイエスエフネットの社員さんらの人柄の良さに気づきました。
    入社のきっかけも、そのような人柄の良さを前面に出しているところに惹かれたとおっしゃられていたので、アイエスエフネットの「人間性を重視した会社」とつながっていると考えました。
    改善点が外で働いている人とコミュニケーションをとりたいとおっしゃられていたので、違う部署の方とのコミュニケーションをとる機会があるとより良い会社になっていくと考えました。(m.t)
  5. まずHSPとは簡単にいうと、大きい音、刺激に敏感でそれを過剰に受けてしまい疲れやすいことや共感性が非常に高いことなどの特徴が見られます。
    今回はHSPを持った廣瀬さんがアイエスエフネットでどのように働いているのかをお話を通して知ることができました。
    私自身、HSPの方に会うのは初めてでそれまでは自分たちと何が違うのかは想像でしかわからなかったです。
    しかし、廣瀬さんならではの視点、仕事を教える際口調が高圧的になっていることや話す速度感など他の登壇者の方の項目にはなかった改善点をあげてくれました。敏感だからこそ人をよく見ているのだと思いました。
    担当のエリアの方が気軽に話しかけてくださるということに、私はアイエスエフネットのダイバーシティに対して理解を持っている人の存在を感じることができました。
    廣瀬さんのようなHSPの方の視点は相手を思いやるサービスを提供する可能性につなげることもあるのではないかと思うことができました。
    話を通じて、自分自身も日常生活で相手の立場に立つ行動を取り、思いやりを持つことの重要性を認識しました。
  6. 私自身、お恥ずかしながらHSPが具体的にどのような特徴をもつものか知りませんでした。なので今回のような機会で知らないことを知ることが出来ました。
    今回インタビューさせていただいたHSPの方は音などの刺激に敏感になりやすいとのことで、会社での対処法はどうしているのかという問いに対しては、イヤホン等でシャットアウトしているそうです。
    そして私が1番びっくりしたのが電車通勤ということでした。私が同じような立場だったら車で通勤するかもしれないと感じました。
    HSPの方のインタビューで特に良いなと思ったのが、「自分がHSPだった場合というのを考えて欲しいということ」と、「ネガティブに考えず、ポジティブに生きたいということ」でした。
    これはHSPに関わらず、全てのことに当てはまることですが、大人になると、もし自分が◯◯だったらと考えることが少なくなってくると思います。それを考え直すいい機会になったと思いました。
  7. まず、インタビューを受ける前に驚いたことは、私が思い描いていたHSP気質をもつ方とインタビューを受けた方のギャップです。
    私が思い描いていたHSPの気質をもつ方は、「気を使いすぎてしまって、あまりインタビューに答えられない方や、環境音や匂いが気になってしまいインタビューを中断せざるを得ない方」でした。
    ですが、実際にインタビューを受けてくださった方は非常に明るく、さまざまなインタビューにもスラスラと答えてくださりました。
    また、私たち学生に対しての配慮もしてくださり、非常に優しい方だと印象に残りました。また、私が知っているHSPの方と全く性格が違っていたので、HSPの方にもさまざまなタイプがあるのだと知りました。
  8. 私は、アイエスエフネットとの質問会でHSPの症状を持つ廣瀬さんに話を伺いました。
    廣瀬さんは以前の職場で主に接客を行っていたため、仕事が大変だと感じていたそうです。
    現在はパソコン関係の業務をしているため、以前よりは負担が減り、接客をする際も仲間がサポートをしてくれるそうで、とても充実感を得られました。
    インタビューをさせていただいた他の社員のほとんどが会社に求めることはないと話していましたが、廣瀬さんは、もっと社員同士で社外でのコミュニケーションができる場を作った方がいいと話していました。
    これはHSPの廣瀬さんだからこそ感じている問題で、コミュニケーションが苦手だからこそ、もっとコミュニケーションを取ろうという気持ちが感じられました。
    さらに、会社に求めることや改善点などを他の社員がいる中で発言できるということから、アイエスエフネットがオープンな会社で社員が本音を話すことができる会社ということがわかりました。
    私は最近までHSPについて詳しく知りませんでした。世の中でもまだHSPについて知らない人もいると思います。
    そういった人たちの認知を広げ、理解される世の中を作るためにも、今回得た知識を多くの人に伝えていきます。それが私たちの役割だと思います。
    (石川 太陽)

4.次回予告
次回登壇者は、DV被害経験のある社員です。今回と同様、インタビューした学生コメントなどを約2週間後の2月29日頃掲載予定ですので、引き続き閲覧していただけたらと思います!

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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。