【ヒューマンライブラリ Part.1】:シニア社員へのインタビュー

<1、3、4の文責・榎澤幸広(名古屋学院大学現代社会学部准教授)、2の文責・元村里恵(株式会社アイエスエフネット 最高ダイバーイン雇用責任者)>

1.はじめに
学生たちにシニア社員が登壇すると伝えた時、一瞬間が空いたことを今でも覚えています。

今思えばこの「間」は、後述の学生コメントにも書かれているように、ゆったりした生活スタイルでのんびりした雰囲気を醸し出す、アニメや自分の「祖父母のイメージ」に囚われていたことにもよるかもしれません。例えば、コタツでお茶を飲んでいたり、縁側で陽だまりの中をのんびり過ごしていたり……。

しかし、登壇者は、48歳でマラソンを始め、これまでフルマラソンを6回完走したパワフル全開の方で、彼らのイメージとは真逆の人でした。ただ、このギャップを知ることこそが、ヒューマンライブラリの醍醐味の一つなので、このやりとりは成功したといえるかもしれません!

ところで、2023年12月23日6時56分配信のNHKNEWSWEB記事は「70歳までの就業機会確保 対応している企業は約3割 厚労省調査」というタイトルでした
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231223/k10014297501000.html>。
この記事は、厚生労働省が2023年6月時点の高齢者雇用状況調査結果を公表したというものですが、従業員21人以上雇用する全国の企業23万社余りの内、70歳まで働き続けられる就業機会を確保したのが29.7%だったという内容でした(2022年から1.8ポイント増で、改正高年齢者雇用安定法施行(2021年)から4.1ポイント増)。
この法律が70歳までの安定雇用は努力義務としていること(同法10条の2)、そして大企業は22.8%(中小企業が30.3%)に留まっている点からも、22.8%にあてはまるアイエスエフネットのすばやい行動力は注目に値するといえると思います。

このような行動力の源泉や具体的取り組みを確認するためにも、2.において、アイエスエフネット側がシニア社員雇用や社内での取り組みを記載してくださることになっております。また、登壇したシニア社員本人の了解を得られる範囲内のプロフィールもここにて紹介されますので、3.の学生コメントを読む前に一読していただけましたらと思います。

※実際の資料は、厚生労働省HP内の「令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」で確認できます<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36506.html>。

2.アイエスエフネットの取り組み&シニア社員に関して
アイエスエフネットグループが掲げる人権方針に基づき、当社では「ダイバーイン雇用」に取り組んでいます。個人が抱える様々な特性や個性によって就労困難な方に対し、環境や仕組みを作り上げることで本人や周りの方々が働ける場を提供することが目標です。
本記事では「シニア」社員からお話を伺いました。すべての社員が、長く、健康に、安心して働くことができるよう、アイエスエフネットでは定年を撤廃し、50歳以上のエンジニアにもキャリアパスを準備しています。

【登壇者のご紹介】
氏名:猪井さん
自己紹介:
32歳の娘と29歳の息子から、初孫誕生の吉報を心待ちにしているシニア初心者です。
昔からスポーツが好きで、今も地域でソフトボールのピッチャーをやっています。48歳でマラソンを始め、毎朝近所の公園でのジョギングが日課です。旅行も好きで、コロナ前まではよく海外にも行っていましたが、今はもっぱら国内です。

学生さんに向けたメッセージ:
若い皆さんと貴重で楽しいひと時を過ごさせていただきまして、ありがとうございます。
いい意味で皆さんのシニアに対するイメージを裏切ったみたいで、ある種の達成感を感じております。
伝えたいことはインタビューでお伝えしたので、もう一点だけ。
外国語を勉強してください。理系の私の新卒以来のキャリア形成と還暦手前の転職には、英語力が奏功しています。人生100年時代を迎えるにあたって、海外の方々との接触は不可欠であり、楽しくもあります。同僚との差別化にもなります。私もインタビューをきっかけに、以前断念したTOEIC 900点超えに向けて勉強を再開しました。旅行のために習った中国語、韓国語も近いうちに再開します。一緒に頑張りましょう。

会社に向けたメッセージ:
京セラ創業者の稲森和夫さんの著書のつながりで、渡邉社長の哲学に触れてご縁をいただき、早くも定年を迎える年齢に達しました。毎週の社長講話を拝聴し、当社の哲学、ビジョンは衰えることなく、活動指針の細かな微調整を繰り返しながら、インフラエンジニアの育成日本一を目指していく様子を肌で感じております。他社には類を見ないダイバーイン雇用を堅持していただきながら、私も定年後のキャリア生活で、全社目標に向かってその一助を担わせていただけたらと思っております。

3.学生のコメント
ここでは6人の学生コメントを取り上げたいと思います。

  1. 今回、実際に働いている方の話を聞くことができてとてもいい経験になりました。インタビュー前にシニアという属性について考えた時に少なからずサポートが必要なのかなと思っていました。
    しかし、前職でエンジニアをされていたこともあり何不自由なく働いていると聞いて想像とのギャップを感じ自分の中で決めつけてしまっていたと認識を改めることができました。

    「会社に改善点や変えてほしい制度などはありますか」という質問に対して、「特にありません」という回答を聞いて、現在アイエスエフネットさんと社員の方は素晴らしい関係性を築けているのだと感じました。
    また、「長く働き続けたい」というお話も伺うことができたので、アイエスエフネットさんはそれだけ居心地がよく働きたいと思えるような会社であることを知ることができました。(m.k)

  2. 猪井さんは58歳でアイエスエフネットに入社されました。アイエスエフネットに入社したきっかけは、渡邉社長の哲学に惹かれ、一緒に働きたいと思ったからだそうです。
    猪井さんには直属の部下が800人いて、日々部下の勤怠管理や困りごとの相談などの対応を行っているそうです。年代が違う社員とコミュニケーションを取るのは大変なのではないかと思いましたが、コロナ禍以前にはよく“飲みにケーション”を行うなど、良好な関係を築かれているようでした。
    年代の違う社員とコミュニケーションを取る上で気をつけていることは、「昭和の価値観を押しつけないこと」だとおっしゃっていました。ただ時代に合わせているだけでなく、部下のことをとても大切にされているのが伝わりました。猪井さんのような上司がいることは、部下の方たちにとっても心強いことだと感じました。

    猪井さんは学生に対して、自分の価値観を大切にするようアドバイスをくださいました。「迷ったら、やらずに後悔するよりやって後悔すべき」という言葉が、とても印象的でした。これから就職活動をする上で、猪井さんに教えていただいたことを軸にしていきたいと思いました。(T.H)

  3. アイエスエフネットの「猪井さん」にお話を聞いてみて、働くシニア、その実態に迫ることができました。まず驚いたのは猪井さんの自己紹介でした。猪井さんは過去に6回もフルマラソンを走破し市民ランナー憧れの4時間切りの記録保持者であることやホノルルマラソンにも参加しており64歳になった今でも毎日1時間のランニングを欠かさず行っているということです。とてもシニアとは思えない経歴に入りから引き込まれてしまいました。

    本題についてですが、お話を聞く前、私は働くシニアと聞いて「身体的にも能力的にも厳しいのではないか」、「手厚いサポートなしでの仕事に取り組むことは難しいだろう」と考えていました。しかし実際にはそのようなことはなく派遣常駐の管理業務をバリバリこなしてさらには70歳までアイエスエフネットに勤めたいという猪井さん。
    私はここで“アイエスエフネットの形だけではないダイバーイン雇用”を感じることができました。自身の貴重なキャリアを捧げなおかつ長く続けたいと思えるのはアイエスエフネットでのやり甲斐や人間関係の良好性などがあってこそだと考えます。
    こんなにもシニアの方が働きやすいアイエスエフネット、今後シニアの方の雇用が増えた場合には、健康面のためにジムなど運動施設を設置してみるのもいいのではないかと考えました。

  4. 最初シニアの方のお話を聞く前、僕は自分のおじいちゃん、おばあちゃんのような方がインタビューに来てくださると思っていました。しかし実際はもっとお若く、フルマラソンを走れるほどのパワフルな方でとても驚かされました。

    まず、僕も気になっていた質問ですが、「シニアということで周りから特別な扱いなどはあるのか」という質問に回答がされました。僕は、やはり若い人と体力的にも差があるのではと思っていました。しかし、特別扱いはないという解答を受けびっくりしました。もちろん体力に関係なく自分1人ではできないようなことは手助けしてくれるとのことで安心しました。

    また、「若い社員と接する際に気をつけていることはあるか」という問いには、「昭和の価値観を押しつけないこと」と解答いただきました。今まで当たり前のように受けてきたものを後輩の世代にはしないようにするのは難しいとは思います。でもそのように思ってくださるのは若い社員にとってはとてもありがたいのではないかと感じました。

  5. シニアの枠でインタビューを行っていただいた猪井さんは、今年64歳にも関わらず、とても若々しい印象を受けました。インタビューの中で、「定年を迎えた後も働きたい。70歳までは働きたい。」と仰っていたことが私の中で印象深く残っています。定年を迎えてからも、アイエスエフネットさんで働きたいと思えるくらい、今の環境が素晴らしいことが伝わってきました。

    また、猪井さんは、「育ってきた昭和の価値観を出さないようにしている」と仰っていましたが、とても感激しました。昭和世代は、体罰やパワハラを行うことが日常でした。その日常を送ってきた猪井さんは、この価値観が普通であるにも関わらず、この価値観を出さないように日々工夫をしている姿に感動しました。

  6. インタビュイーの方は社長の哲学に惚れ込み58歳で入社したと話されていました。長年働いてきた人が惚れ込むというのは、とても魅力的な会社だということを感じました。アイエスエフネットさんは再雇用が簡易に行える、ダイバーイン雇用の考え方を取り入れています。
    このことは、シニアの方々にとってとてもありがたいものだということを感じます。この点、インタビュイーの方は「70歳まで働きたい」ということをいっていましたが、それに対して社内全体で応援していることが伝わってきました。
    そのことから、この会社はとても働きやすい環境が整っていると感じました。インタビュイーの方は「その後もボランティア活動をしてみたい」という明確なことが決まっており、その理由として「社会に恩返ししたい」ということを話されていて、アイエスエフネットさんへの感謝の大きさに気づきました。

4.次回予告
次回登壇者の属性は、LGBTQIA(性的指向)です。今回と同様、インタビューした学生コメントなどを約2週間後の1月30日頃掲載予定ですので、引き続き閲覧していただけたらと思います!

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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。